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革器 -掌景- KAWAUTSUWA/SHOKEI
一枚の革から生まれる、手のひらの小さな景色
革という素材を使い、器をつくる。
柔らかく、しなやかな革に立体的な形を与え、ひとつの小さな器へと仕立てました。
陶器とも木器とも異なる、革ならではの温かな質感と、滑らかに連なる曲線。
何かを収めるための道具でありながら、何も置かずとも、その佇まいを楽しめる。
日々の暮らしに寄り添う、小さな革の工芸品です。
革の性質を活かした、独自の製法
製作に用いるのは、革を水で湿らせて立体的に成形する「ウェットフォーム(水絞り)」という技法。
専用の型を使い、表側と裏側、それぞれの革を器の形に成形します。
革がまだ水分を含み、完全には乾ききっていない段階で二枚を貼り合わせ、さらに時間をかけて乾燥させる。
しなやかな革も、二枚を重ねることで強度を増し、器としての形をしっかりと保てるようになります。
硬化剤や樹脂による補強は用いず、革そのものの性質と、重ね合わせる構造によって強さを生み出しています。
成形から乾燥まで、およそ4日間。
革の状態を確かめながら形を整え、水分が抜けるのを待つ。
完成後には見えなくなる工程ですが、器としての強さと美しさを支える、大切な時間です。
削り、磨き、仕上げる
十分に乾燥させた革を型から取り出し、ひとつずつ切り出す。
そこからさらに、縁や全体の輪郭を丁寧に削り、形を整えていきます。
削りすぎれば形が崩れ、磨きが足りなければ仕上がりに粗さが残る。
わずかな凹凸にも気を配り、指先で確かめながら少しずつ仕上げていく作業です。
滑らかな曲面、整えられた縁、革の自然な艶。
型によって生まれた形は、こうした仕上げを重ねることで、ようやくひとつの器となります。
一見すると簡素な小皿ですが、その姿に至るまでには、いくつもの工程が重ねられています。
暮らしに、小さな景色を
指輪やアクセサリー、鍵など、大切な小物の置き場所として。
玄関や書斎、寝室など、お気に入りの場所に置くインテリアとして。
何かを収めても、何も置かずに飾っても。
革の穏やかな表情と滑らかな曲線は、暮らしの中にさりげない存在感を添えてくれます。
「掌景」という名に込めたのは、手のひらに収まる小さな器の中に、ひとつの景色を見いだしてほしいという想い。
天然皮革ならではの色合いや表情の違いも、それぞれの器が持つ個性です。
革を重ね、形を整え、磨き上げる。
素材と向き合い、時間をかけて誂えた、小さな革の器。
手に取り、眺め、使うことで、その表情を楽しんでいただければ幸いです。










